メディア分析ラボ #8 「まちづくりとコミュニティ化するホテル」

Description

ある時、様々なメディアに共通して見られる深層意識について不定期に語り合うトークイベント、メディア分析ラボ
第8回は、エースホテルに代表されるコミュニティホテルはデザイン性にとどまらないイノベーションをホテル業界にもたらしたと言われている。では、その真の価値とは何なのか、そして日本のホテル業界においてその価値をインストールすることは可能なのかについて、昨年『本当に住んで幸せな街 全国「官能都市」ランキング』を上梓されたLIFULL HOME'S総研所長 島原万丈氏、先般開業した話題のホテルTRUNK(HOTELの事業開発プロデューサー 桐山幹浩氏をゲストに、レギュラーパネリストのライター・出版ディレクター 中沢明子氏とともに、考えて参りたい。


【巻頭言】

 2015831日。取り壊し反対の署名運動もあったなかで、ホテルオークラ東京本館が建て直し前の最後の営業を終えた。ニュースでもとりあげられたが、NHKの「ドキュメント72時間」の閉館前72時間の老舗ホテルの「最後」の姿を残した映像には、大倉財閥が創設した格式あるホテルに思い出がある人々が集い、しみじみと時を過ごす姿が映し出されていた。ホテルとは「泊まる」だけの場所ではなく、人生の節目に出かけたり、大切な人と食事をしたり、友人と再会したり、ビジネスの話をする場であり、つまり、さまざまなフェーズのコミュニティが行き交う場として年月を重ねるものなのだ、ということを改めて教えてくれる出来事だった。2019年にピカピカになってお目見えするホテルオークラ本館は、こうした過去を背負ってスタートすることになる。

 帝国ホテルしかり、ニューヨークのプラザホテルやウォルドルフアストリアしかり、パリのリッツやロンドンのザ・ゴーリングしかり。古くから、素晴らしいホテルやチャーミングなホテルは街の外から宿泊する人々だけのものではなく、街の象徴で、古くからコミュニティの中心であってきた。

 けれども、アメリカのエースホテルに代表される、昨今のホテルは、ことさらに「まちづくり」や「コミュニティ」といった言葉とともに語られている。1998年にスターウッドが提案し、一時期一世を風靡した「ブティックホテル」のW HOTELSとも様相が異なる。

 あるいは日本に目を転じると、2012年に蔵前に登場したユースホステル、Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEは新しい下町としての「イースト東京」というカルチャーを代表する存在として脚光を浴びた。今や、たとえばワイヤードホテル浅草やグリッズ 日本橋イースト ホテル ホステルといったヌイ・スタイルのホテルやホステルが各地に誕生している。

 そして東京というより日本を代表する街であるにも関わらず、街を代表する象徴的なホテルがなかった渋谷に満を持して、この5月に誕生したのがTRUNKHOTELだ。こぢんまりとしながらも、ラグジュアリーと価値観を提案する方法論はエースホテルに近く、ヌイ・スタイルとは、また別の方向性だ。

 しかしながら、どちらにも一定の「高感度」なデザインセンスが共通している。

 ここ数年、ライフスタイルショップやおしゃれな本屋さんやカフェの増殖と平行して、「街とコミュニティとホテルの関係性」が見直されている気配がある。滅びゆく商店街を意志あるホテルの存在が救うのだろうか。あるいは、こうしたホテルが進出しない街と商店街は官能からほど遠い、つまり魅力皆無の街なのか。

 といったことを考えながら、近いうちにこうしたテーマをとりあげようと思っていたら、TRUNKHOTEL)がまさかのプレスリリースで話題を呼んでいた。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000025317.html

https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/sugoi-taidan?utm_term=.bvw7wj7X7#.dmBV3ZVwV

 当事者にとっては、ほろ苦い行き違いがあったのだろうと推察するが、かえって、非常に興味深い「問題提議」が可視化されたように思う。その問題を乱暴に解釈するとすれば、「エースホテル的なホテル」やヌイはホテルオークラ東京とどう違うのか。そして21世紀のホテルオークラ東京になりうるのか。つまり、街やコミュニティの中心に本当になれるのか。といったことだろう。

 というわけで、せっかく「炎上」したプレスリリースもあったことだし、間をおかずに、このテーマをとりあげることにしました。これからの、まちづくりとコミュニティとホテル、について、ゆるゆると考えてみます。(ライター・出版ディレクター 中沢明子)


***************************************
◆ パネリストプロフィール
***************************************
◯島原 万丈(しまばら まんじょう
1989年株式会社リクルート入社、株式会社リクルートリサーチ出向配属。以降、クライアント企業のマーケティングリサーチおよびマーケティング戦略のプランニングに携わる。2004年結婚情報誌「ゼクシィ」シリーズのマーケティング担当を経て、2005年よりリクルート住宅総研。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社LIFULL HOME'S総研所長に就任。ユーザー目線での住宅市場の調査研究と提言活動に従事。
     

◯桐山幹浩(きりやま みきひろ)

1976年岐阜県大垣市生まれ(今年41歳)大学で建築を学び、高速道路の開発会社で休憩所整備などを手掛けた。しかし「川上にある金融や不動産の専門家と対話できるようになりたい」と不動産ファンド会社に入社し複数の不動産開発及びファンド組成、管理にかかわる。同時期に空間プロデューサーとして、若手建築家と世の中の課題をデザインの力で解決すべき住宅プロジェクトを行う。また、2014年からは婚礼大手、株式会社テイクアンドギブ・ニーズのソーシャライジングをコンセプトとした新規事業、TRUNKHOTEL)の開発に事業開発プロデューサーとして参画。TRUNKHOTEL)は今年513日に渋谷区神宮前にオープン。


中沢 明子(なかざわ あきこ)
1969年東京都生まれ。ライター、出版ディレクター。女性誌、ビジネス誌など幅広い媒体でインタビュー、ルポルタージュ、書評を執筆。延べ2000人以上にインタビューし、雑誌批評にも定評がある。得意分野は消費、流行、小売、音楽。著書に『埼玉化する日本』(イースト・プレス)、『それでも雑誌は不滅です! 』(朝日新聞出版)、共著に『遠足型消費の時代』(朝日新聞出版)、プロデュース本に『ケチケチ贅沢主義』(mucco/プレジデント社)、『深読みフェルメール』(朽木ゆり子+福岡伸一/朝日新聞出版)などがある。


***************************************
◆ 開催情報
***************************************
日時: 2017年7月4日(火)19:30~21:00 (開場19:00)
会場: Sansan株式会社セミナールーム
アクセス: 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13F
参加費: 1,000円(税込) ※領収書の発行はありません
定員: 30名程度


****************************************
◆ タイムテーブル
****************************************
- 19:00 開場
- 19:30 開演
 テーマ「 まちづくりとコミュニティ化するホテル 」
 <パネリスト>
  ・LIFULL HOME'S総研所長 島原万丈氏
  (
『本当に住んで幸せな街 全国「官能都市」ランキング』著者)
  ・株式会社TRUNK TRUNKアトリエプロデューサー 桐山幹浩氏
  ・ライター・出版ディレクター 中沢明子氏
  (『それでも雑誌は不滅です!』
『埼玉化する日本』著者)
 <司会進行>
  ・Sansan名刺総研所長 日比谷尚武氏



Updates
  • イベント詳細情報を更新しました。 Diff 2017-06-19 14:32:08
More updates
Tue Jul 4, 2017
7:30 PM - 9:00 PM JST
Add to Calendar
Venue
東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13F Sansan株式会社セミナールーム
Tickets
1,000円(税込・会場払い)
Venue Address
東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル13F Sansan株式会社セミナールーム Japan
Organizer
メディア分析ラボ
202 Followers